訳ありの死体処理を生業としている名前も戸籍もない男。仕事を終えて車に戻ると、見知らぬ少年が助手席に座っていた。少年は空と名乗り、男の仕事を誰にも言わない代わりに男の家に連れていってほしいと言う。男は仕方なく空を連れ帰るが、名前が必要だと空に「凪」と名付けられる。お互いを何も知らない、お互いに何も聞かない。そんなふたりの生活が始まって──?
無表情で無口な那智真尋は、同級生から『マネキンくん』と呼ばれ敬遠されている。そんな那智の唯一の友達は、女子に絶大な人気を誇る真里谷梓だ。新学期、ふたりは同じクラスになるが、那智は真里谷が人の輪の中にいても、真里谷だけを見て真里谷への独占欲を隠さない。一方、真里谷も他人に無関心な那智が同級生と親しくなっていくのを見て苛立ちを覚える。中学の時からお互いが一番大切で、一番の友達。けれど、真里谷には那智に言えない想いがあって──?
四人兄弟の長男、小林庵は進学のため上京することになった。住む所を探していた庵は、幼い弟や妹の面倒を見てきたこともあり、家事をする代わりに家賃タダという募集を見つけ、そこに決める。ルームシェアの相手は、10歳年上の会社経営者、東堂六。けれど、会って早々子供扱いされ、第一印象は最悪。その上、メシの礼だと突然キスされて!? 前途多難な共同生活スタート!
数年前、宙はこの世で一番大事で特別な存在だった哲弥と別れることを選んだ。守られるだけの自分から変わるために、哲弥に哲弥自身を大事にしてもらうために。未熟な子供から大人になり、街で歩いていても哲弥に似た人をつい探してしまう。もし、もしもう一度てっちゃんと逢えたら── そんなとき、偶然ふたりは擦れ違い!? 幾つもの夜を越えたふたりの想いは……
どうしてこんなに気になるんだろう? 男同士なのに、意識してしまう御崎と有川。自分の感情をコントロールできずに、落ち着かない有川の部屋を御崎が訪ねてきて…… 揺れ動くふたりの想いは──?
浅田には気になる人がいる。名前も部署も知らないけれど、同性なのに目で追ってしまうほど綺麗な男だ。ある日、浅田はその人――観月と仕事をすることになる。浅田は、仕事もできて人あたりもいい観月に好感を持つが、観月が同性愛者だと知り動揺する。しかし、何もかも完璧だと思っていた観月の人間らしい部分を知るにつれ、浅田は観月に惹かれていき!?
高校生の伶は満たされない日々を送っていた。そんなある日、ひとりの男に目を引かれる。喫茶店を営む男・蔵ノ介はオトナで優しいひとだった。伶は子供だと思われたくなくて二十歳だと嘘をつく。たった一度会っただけなのに蔵ノ介のことが気になる。でも深入りはしたくない── しかし、蔵ノ介の優しさに耐えられなくなった伶は、蔵ノ介にキスするのだが…
友達と偶然入ったカフェに、その人は居た――大好きだった幼馴染み、優吾にそっくりな彼、花輪さんのことは絶対に好きにならない。好きになっちゃいけない。高校生の遠野望はそう思っていた。でも、たった一度のキスが望の心を裏切って……。
母が亡くなって七年。母の再婚相手で料理研究家の義父である和明に、気がつけば、健人は叶わない想いを抱いていた。まさか母に嫉妬する日がこようとは…… 眠れない夜から、解放される日はくるのだろうか? 愛すべき義父と、愛すべき義息子の焦れったい恋を描いた『踏む青』をはじめ、愛すべきひとたちの珠玉の恋の作品集。
ある晴れた日の午後、大学の構内で、ある雨の夕方、駅で、有川と御崎は出会った。お互いの名前も知らず、存在も知らず──それが、すべての始まりだった。少しずつ、距離が縮まるふたりだったけれども……