プレイグラウンド 第一話/松田美優 第一話

 ちっちぇー頃はどんな遊びが好きだったっけ。
 お絵かき? オモチャ? 公園の遊具? 三輪車、それとも追いかけっこか。
 あー、いや、違うな。もっと身近で、いつの時代も必ず夢中になれたもんがある。
 そうだ。思い出した。
 想像力を働かせて真似して遊ぶ、なんたらごっこ、だ。

 * * *

 夜の闇にパトカーのサイレンがけたたましく鳴り響く。
「お前ら通報してんじゃねえよ!」
 運転席に跨る清志(きよし)ががなりたてると、目があったらしい家の住人は慌てて石垣の陰に身を隠した。
 住宅街の中を縦横に延びる極端に道幅の狭い路地を、単車数台で列を成し一斉に走り抜ける。仲間の誰かがふざけてコールを切ったのを契機に始めた暴走族ごっこも、警察の追手が加わることでいよいよ本格化してきていた。建物の屋根に反射し、照らし出される赤色灯の回転が現実的な脅威を持って移動していく。
 目的地も近いし蒸し暑いからいいか、などという単純な理由で一同はヘルメットを着用していない。捕まれば言い逃れはできない状況だ。軽い緊張が興奮を煽り、刺激に飢えた心を歓喜に湧かせる。
 奇声を発し、哄笑(こうしょう)し、いつか見たテレビの映像や地元不良集団のそれに倣(なら)い実践して遊ぶ。どんなに時が経とうと、精神年齢はたいして変わらない。他愛もないことで簡単に熱くなれるのは得な性分だと皆、解釈している。
 真夏の生温い風が全身を包み込み、クリアベージュの柔らかい髪を梳く。タンデムバーを掴む手にもいくらか汗を掻いていた。凌我(りょうが)は彫りの深い目元を甘やかに狭め、周囲の景色に視線を這わせながら、もう一方で清志の衣服の前をきつく握り直す。手首に重ねづけしたゴールドのチェーンブレスが圧迫され、小さな音を立てて重なり合う。
 突然、ふたりを乗せたバイクは速度を落とし、路肩に幅寄せして停車した。後方の仲間が冷やかしながら笑って通り過ぎていく。依然サイレンは鳴り止まない。まごまごしていたら、見つかってしまう。
 凌我は顔にかかる長い前髪を振り払い、ガラの悪いシャツを羽織った広い背中から目線を跳ね上げて訊ねた。
「ん? どうした?」
 と、前に回していた手に、清志のそれが覆いかぶさるようにして重ねられる。厚い大きな掌だ。
「や、しがみついてきたりして、かーわいいなあって」
「……」
 凌我は怪訝な表情で、スケベそうに口元を綻ばせる端整な横顔を眺め入った。
 がっちりとした体躯(たいく)は節々まで力がみなぎっており、長身ゆえに威圧感がある。男らしい魅惑的な容貌を台無しにする凶悪な目つきが、その攻撃性を隠し切れずにいる。基本的に身につける物も、連れ歩く女も派手だ。
 けれどそういう強い我を持つ目立つ人間に、若者は本能で惹かれていく。心の中でひそかに羨み、憧れる。持って生まれた素質とでもいうのだろうか、おそらくそういった理由で、清志は仲間内でもリーダー格にあった。
 皆が徹底して従うような強い相手から施される過剰なスキンシップを、凌我は嫌がりつつも、阻むことができなかった。清志がふざけているのは周知の通りで、一目瞭然だ。誰もいない場所でもからかわれることはままあったけれど、あえて気づかないふり、忘れたふりをして遊んでいる。適当に流さなければならない問題、というのは友達関係の中でも往々にしてあると、凌我は常に思っていた。
 たとえ今、奪い取られた左手が清志の唇に当てられているとしても。
 パトカーのサイレンの音が近づいてくる。停車を余儀なくされるスティードのエンジンが昂(たかぶ)り、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、という一定の拍を刻んで後部座席に座る凌我の腹底にまで何度も重く沈みこむ。それは人間の鼓動に限りなく似ていて、なるほど心臓と呼ばれるだけある。慣れれば愉しい振動だ。脛(すね)のあたりにマフラーの放熱を感じながら、凌我は背後を振り返ったまま呑気な口調で告げた。
「清志いー。なんかケーサツに追いつかれそう」
「えっ、もうかよ。えれーはえーな」
「もうって、お前ずーっと俺の手え握って遊んでんじゃねーかよ」
 やっと外された手の隅々にまで残る感触に動揺しながら、無意識を装い、再びシャツの裾をつかむ。タンデムバーを持つ右手にもぐっと力を込めた。
 清志が両手をハンドルの上に戻し、アクセルを捻る。ゆっくりと周りの景色が流れ出す。
「凌我!」
 名を呼ばれ、心持ち頭を上げる。同じくヘルメットを被っていない清志の量の多い癖毛の髪が、向かい風に煽られて激しく靡くのを見つめる。
「なにー?」
「これから俺が何しても、ぜってえ手え離すなよ!」
 真剣な声色に虚を衝かれ一瞬押し黙った後、凌我はわかった、と声を張り上げて応諾した。
 仲間の姿はとうに見えなくなり、エンジンを空ぶかしする音も遠ざかっている。急勾配の坂道で後ろからヘッドライトを当てられた。
『そこの二人乗りのバイク、止まりなさい』
 住宅街を舞台に繰り広げられる悪童との鬼ごっこにようよう感情を抑えきれなくなった警察官が、言葉尻だけは冷静さを保って何度も呼びかけてくる。
 清志は凌我を乗せたまま数百キロもの車体を軽やかに操り、横倒しにして曲がり角の向こうへ逃げた。十分焦ってもおかしくない状況にありながら、凌我は落ち着いている。それどころか妙に心が浮き立っていた。
 捕まったらその時はその時だ、という居直りもある。けれど一番の要因はやはりなんといっても、清志の頼もしさだ。絶対に自分を見捨てていかない、それが今までの経緯からちゃんとわかっているから厚い信頼を寄せられる。
 唸りを上げて夜を徘徊するバイクのライトが導き照らす方向は、左右二手に分かれている。まっすぐ行けば行き止まりだ。清志の背中に遮られてわかりにくい前方を窺うため、凌我はほんのすこし首を傾けた。その瞬間だ。
「?」
 つきあたりに直面する手前で、清志がバイクのライトを意図的に消した。
 真っ暗闇の中をまるで目が見えているかのように、的確かつなめらかな運転で道を曲がる。自分たちの気配を見失ったことで、追手はどちらに向かっていいのかわからず、一旦停止したようだ。
 その様子を留守らしい民家の外壁の間からそっと覗きこんでいたふたりは、顔を見合わせるなり、声を潜めて笑った。
「忍者みてえ」
 腰を落として膝に腕をおく。凌我の言葉に、並んで屈む清志が目を細め、悪戯っぽく八重歯を覗かせた。無条件に人の心を惹きつける、あどけない笑顔だ。凌我は見蕩れた。
「……」
 吐息が触れるほどの至近距離で視線が絡まる。自分に注がれる清志のまっすぐな眼差しをさりげなく振り捨てて、凌我は地面を眺めながら、そっと口元を引き締めた。
 頃合いを見計らって傍らに隠しておいたバイクを道に引き出し、手押しで上の方角を目指す。しばらくして清志がバイクに跨(またが)るよう指示してきた。今度はおとなしく走行する。
 着いた場所はこちらもまた住宅密集地だったが、やや新しさには欠けていた。瓦葺(かわらぶ)きの屋根にひび割れた土壁、大きな蔵があるところもある。どの家も庭が広くそこに植えられた木々がきちんと手入れされているせいか、うらぶれた印象はなく、昔ながらの古風な佇まいといった雰囲気だ。
 その中にある一軒の敷地に入る。玄関の引き戸からはオレンジ色の鈍い光が漏れ、脇には数台のバイクが停められていた。清志は遠慮なく戸をすべて開け放つ。
「こんばんはー。おじゃましまーす」
 大声で言うと、家人の朗らかな返事が聞こえた。板張りの薄暗い廊下を清志がのし歩く。凌我もその後に続いた。レモンイエローの生地にピンクでロゴをプリントされたTシャツが闇色に沈む。迷彩色の軍パンのポケットに片手を入れ裾を引きずり、寒くもないのにうつむいて鼻を啜る。手首のチェーンブレスがジャラつく。沈静に、踏みつけられる板の鋭い悲鳴が虚しく響いていた。
 座敷に近づくにつれ、賑やかな声が耳に届く。凌我は顔を上げた。暗がりの中、見えるのは清志の背中だけだ。
 スパン、と歯切れのいい音を立てて、襖が開く。座敷に座る連中が一斉にこちらを見る。
「ウエーイ」
 清志が低い声を発して酒盛りの場にずかずかと乗り込む。その後ろ姿を目で追いながら、凌我は自分も白熱灯の下へ歩み出た。室内にいるのは皆、先に行った仲間たちだ。
 適当に空いていた席に腰を下ろすと、早速話しかけられた。すでに酒がまわっているようで、皆とっくに眼が充血している。
「あんまりおっせーから捕まったかと思ったぜ」
「あー、ごめんごめん。途中で清志にイタズラされとったから」
 淡々とした口調で凌我が答えると、周囲から妙に同情じみた眼差しを向けられた。
「アイツもなあ……本当、なんなんだか」
 口元に煙草をやりながら、苦笑交じりに隣の友人が言う。
「暗がりでバック取られたら、お前確実にアウトだな」
「ねーよ」
 凌我は強く否定し、近くにあった未開封の酒を呷(あお)った。
 見下げた目の端に、仲間に囲まれ胡坐(あぐら)をかいて談笑する清志の姿を映す。
 上と下、座敷を二間ぶちぬきで使う宴会。その天井付近には煙草の煙が白い龍のごとくとぐろを巻いて、いつまでも滞留していた。

「くっそー……眠い」
 明け方近くまで飲んで騒いで、猛烈な眠気と深酒により意識が朦朧(もうろう)としていた。それでもなんとかスニーカーを履き、足元をフラつかせて玄関から出る。
 乱暴に目を擦りながら下を向いて前に進んでいるところを、誰かに腕を引かれ、咎められた。
「そんなんじゃ後ろ乗れねーだろ。俺ん家泊ってけ」
 やけに甘ったるい、優しい声だ。振り向きざまに肩を抱かれ、腕の中に抱き寄せられる。凌我は上目づかいにその人物の顔を仰いだ。
 よほど酒に強いのか、同じ時間を過ごしていても清志は顔色一つ変えず、横着な態度ながら足取りはしっかりしている。どんな状況でも自分を失わない。だから頼りになるのかもしれない。凌我はアルコールに浸かった目で、自分に熱い視線を注ぐ清志をじっと見つめ返した。
「……」
「ん?」
 拒絶しようとして口を開いただけなのに、清志はわざわざ首を傾けて耳を近づけ、言葉を拾おうとする。そのため肩に回された手の力が急に強まり、自然、密着するかたちになった。
 シャツの下に着込んだ白のタンク、その熱い胸板から鼓動や体温が直接伝わる。腕の中に抱き込められる安心感。あまりに心地よい抱擁に不本意ながらうっとりし、かくん、と首が折れる。
「……やべえ、寝ちまう」
 感情を押し殺した低い声で凌我がぼやく。必死で目を開けようとするのに、頭は休むことを前提にしているらしく覚醒を拒む。半眼の視界は朧(おぼろ)げで、焦点も定まらない。身体から力が抜けていく。
「背負ってってやるから寝てけ」
 穏やかな声で誘う清志に返事をするのも面倒で、諦めて放棄した。再び視界が閉ざされる。手首を掴まれ、背負われる。
「ミノル、バイクちょっとここに置かせて。あとで取りに来るわ」
「あ、なに、凌我寝ちゃった?」
 清志の背中に額を擦りつけながら、夢現(ゆめうつつ)に会話を聞く。
「……あーあ、コイツ男のくせに寝顔すげー可愛い。睫毛(まつげ)とか長くてさ、色白で、マジ天使みてえな」
 自宅を用いてまで飲み会の場を提供してくれた稔(みのる)の声が、ひどく近しい距離で聞こえる。どうやらこちらを覗きこんでいるらしい。
 次いで、品のない笑いが零れた。
「起きたらきっとケツいてーぞー、凌我」
「うるせー触んな馬鹿……」
 億劫ながら、片手で払う。ぼんやりと開いた目に他の仲間の表情が映る。
 圧倒的な存在感を誇る男に特別扱いされる自分を、声もなく眺める、羨望の眼差し。
 首を横に振ることで勘違いするなと主張しながら、胸の内でほんの少し、優越感が湧く。

「ん……」
 背中からゆっくり下ろされる。首の後ろと膝の裏、その二点で抱きかかえられて、ベッドの上のほうへずり上がった。
 清志の家は、稔の家からさして遠くない場所に位置している。要するにふたりは幼馴染みで、仲間内のほとんどがそうだ。高校が一緒になってようやく皆とのつきあいが始まったのはおそらく自分くらいだろう。
 重ねた年月の浅さが、こんな不安を生むのだろうか。
 清志がベッドを離れる。途端に心許なくなる。凌我は瞼をきつく閉じ直して、身体を弛緩させていった。
 周囲に日本家屋が建ち並ぶ中、清志の家は洋風のデザイン住宅を構えている。外観から内装まで総てにこだわりを感じさせる。シックで、それでいて居心地のいい、緻密に計算された住空間だ。清志の部屋もそれだった。
 閉め切らないブラインドから洩れる外の光は徐々に明るくなってきており、どこからか小鳥の囀(さえず)る声も聞こえ始める。静かな朝の到来に、凌我がいよいよ寝息を立て始めた頃だった。
 ベッドがぎしりと沈み、揺れる。
 初めのうちはなにが行われているのかわからなかった。
 Tシャツの裾を首元までたくし上げられ、露になった薄い胸に清志が顔を埋めてくる。舌先で乳首を転がし、あの包容力のある掌で腰骨から脇腹までをいやらしい手つきで撫で摩っていく。
 あからさまな欲望に顔をしかめて、凌我は落ち着いた口調で制止を乞うた。
「……馬鹿、やめろって」
「胸だけ」
 頭も上げずに清志が答える。興奮した息を吐き、冗談にもならない遊びに集中する。やはりそういう目的だったらしい。
 胸の奥がズキッ、と鋭く痛む。玩(もてあそ)ばれながら、凌我は力なく抗議の手を突き出した。
 多少なりとも抗えばいつもすぐに止めてくれるはずが、わざと気づかない振りをして手を払い除けられた。そればかりか、これ以上抵抗できないよう肘ごとシーツへ押し留められる。続行は明らかだった。
 唾液で濡れた箇所に熱い吐息が絡む。噛んだり、舐めたり、舌先で叩いたり、指で転がしたり。とにかく清志はもう夢中だ。
「……あっ」
 乳を求める赤ん坊の如く甘えきった表情の清志に深くまで吸いついかれ、頑なな凌我の唇から震える声がついて出た。
「乳首いい?」
「……っ」
 口をつぐんで、じっと睨み据える。気持ちいいとか悪いとかそんなものは問題でなかった。清志が自分を徹底して女扱いする、そちらのほうがずっと重大で堪えた。
 なのに身体は熱を帯びてきている。凌我は激しく動揺しながら、憤然とした表情の内側にそれを隠し、精一杯の虚勢を張った。
「……ぜってえ気持ちいいことしかしねえから、もっと力抜けよ。な?」
 興奮に上擦った声で清志が宥めすかす。
 両手を搦め捕られていく。膝で強引に脚を割り広げられる。雄(オス)の目をした清志の眼差しに射貫(いぬ)かれ、声をなくす。傲然とのしかかられる。
 凌我は泣きそうになった。
「凌我」
 甘い声で囁いて、唇を重ねてくる。後はただ激しいだけだった。
 皆の前でふざけて反射的に奪われるキスとは似ても似つかない、執拗さ。その変貌ぶりに凌我は狼狽することしかできない。渋面のまませめて顎を引き、身を縮める。それでも追ってくる唇は、一度触れたら最後、離れようとしない。
「柔らけえ……」
 下唇を食みながら清志が感嘆した様子で言う。ベッドに磔(はりつけ)にされて真顔でいた凌我の頬に朱が差し、瞳には屈辱の涙が滲んだ。
 悔しくて、悲しかった。
 キスは濃密になっていく。鋭い中に官能を混じらせる清志の瞳を、凌我は冷ややかな目つきで凝視することでその横行を咎めた。けれど強気な姿勢も長くは保てず、隙を突いて口中に入り込んできた舌に呼吸を支配され、やがて脳が麻痺していく。
「……は、あ」
 絡まる唾液の音に、混濁した意識を更に攪拌(かくはん)され、目を閉じる。
 沈み込んだシーツと背中の間に清志が逞しい腕を回し、きつく抱き寄せてきた。

 セックスごっこなのか。それとも、今までが友達ごっこだったんだろうか。
「あー……っ、……」
 閉じようとする脚を手で広げられた挙げ句、そのまま押さえつけられる。清志の唇に屹立したものを上下に扱かれ、凌我は眦から羞恥の熱い涙を溢れさせた。
 ベッドでのたうち、身悶え、息を乱す。友人間にあるまじきふしだらな行為にふたりして身を堕とす。
 汗で張りついた頬の髪を払うこともできずに、凌我が甘い吐息を吐く。清志によって開かれる身体は明確な悦びを表していた。硬く尖った乳首、忙しく波打つ腹筋など、感応した証拠を並べ取り揃える。それらがどうにも浅ましい気がして、凌我には耐えられなかった。なのに抗えない。最早眠りにつくこともできない。
 せめてもの救いは、清志が自身の生殖器を突きつけてこないことだ。
 ディッキーズのチノパンの中に収めたまま右手を動かし、あくまで自己処理で締結させようとしている。
「あっ、あっ、ああ、ああ……っ」
 声が掠れ、凌我の表情から一切の余裕が消えた。頭を振る。シーツを掴み、肩を震わせて啜り泣きながら、清志の舌の真上に精を吐き出す。
「……っん、うう」
 達した直後で敏感になっているそこを微弱な力で吸い上げられ、凌我は目を閉じたまま、噛み締めた唇を戦慄(わなな)かせた。
 そっぽを向く。ぼろぼろと涙を零しながら、それを拭いもせず、無理に寝た振りをする。
 固く閉ざした瞼の裏側で、清志が荒々しい呼吸の合間に低い呻き声を放った。

 * * *

 想像力を働かせ、真似して遊ぶ、なんたらごっこ。
 俺がちっちゃい頃から大好きだった遊びがそれ。今、大好きな遊びもそれ。
 だって舞台は架空世界だろ? そこからの展開がどう転ぼうと勿論全部嘘っぱちで、だからこそ面白くて、のめり込める。
 なのに現実に失うものがあるなんて。
 十八のこの歳になるまで、俺は夢にも思わなかった。


続く…
 
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