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作品紹介
 
杉原理生
木下けい子

「きみは楡崎圭吾と別れたほうがいいよ」
画家である亡き父の偲ぶ会があった夜に知り合った男から、早坂蒼はそんな言葉を投げかけられた。それがすべての始まりだった。
楡崎圭吾――彼は、亡き姉の夫であり、いまはひとつ屋根の下で暮らしながら、蒼を抱く男でもある。常に倦怠感を身にまとい、なにを考えているのかわからないが、初めて出会った子供のときから、蒼は圭吾に惹かれ続けてきた。
互いに強く想いあいながらも、独占欲を押し殺し、むしろ終わりをさぐりあうかのように、一種の緊張感のなか、ふたりは身体を重ね続けている。
けれど、ひとりの男の登場により、ふたりが築き上げた均衡は壊れはじめて……



子どもの頃の蒼が、大学生の圭吾に鼻を舐められているところ。
長い年月のお話なので、現在の身体の関係もあるちょっと爛れた大人のふたりと、昔の初々しいふたりが見比べられるところがオススメです。

人物
 
洋画家・早坂義明の息子で、ギャラリー・ハヤサカの代表。
二十代半ばという年齢には不相応な落ち着いた風情で、
美しく整った顔立ちや容姿、優雅な身のこなしは
まるでひとつの芸術品のような印象を与える。
三十代半ば。四季画廊のオーナー。
見映えよく周囲を惹きつけずにはいられない色男だが、
常に倦怠感を纏っている。
早坂家とは遠縁にあたり、蒼の姉・藍と結婚する。
藍の死後、蒼の後見人として早坂家に残る。
二十八歳。メガネの似合う知的な顔立ちの好青年。
新聞社を辞め、現在はフリーライターとして活動している。
今は亡き美術評論家・富田光喜の甥で、
光喜の遺品整理をきっかけに、早坂家へ興味を抱く。

著者インタビュー
 

SHY NOVELSからは4冊めとなる最新作『夜の寓話』が1月31日に発売となりました。いまの率直なお気持ちを聞かせてください。

〆切りなどでご迷惑をかけつつ4冊目を出していただきました。綺麗な本に仕上がってうれしいです。SHYさんの新書は手触りが好きです。

今作『夜の寓話』は絵画にまつわる世界が舞台になっていますが、杉原先生ご自身、絵をご覧になるのはお好きですか?
ご贔屓の画家はいらっしゃいますか?

蒼の父は風景画が得意な洋画家という設定ですが、わたしは風景ならコローが好きです。

繊細な描写が印象的な杉原先生ですが、今作『夜の寓話』では、風景の美しい描写が心に残りました。
作品の雰囲気を構築するため気を使われていることがありましたら教えてください。

頭のなかに思い浮かべた映像がわかりやすく伝わるように、なるべく固有名詞をださない(その固有名詞から受けるイメージがひとによって違うので)、難しい言い回しは使わない。少ない色数の絵の具で絵を描くような感覚で文章を書くようにしています。

今作のあとがきに、「星空からイメージを膨らませたお話」とありますが、杉原先生が小説をご執筆する際、どのようなきっかけから物語を作られることが多いですか?

だいたい最初のシーンを思い浮かべて、そこから話を展開させます。

『夜の寓話』の登場人物で杉原先生が特にお気に入りのキャラクターを教えてください。

蒼と圭吾です。わたしは受と攻がセットで好きなので。

作中で富田が蒼に絵の描き方を教えてほしいと頼む場面がありますが、もし杉原先生が絵筆を握ることになったらどんな絵を描いてみたいですか?

その絵の世界のなかに入ってみたくなるような絵を描きたいです。自分で見るのが好きなのもそういうタイプの絵が多い気がします。

主人公のひとりである圭吾は面倒なタイプのひとですが、そこが魅力でもあります。
杉原先生ご自身が最も好きな攻・受のタイプ、シチュエーションはなんですか?
その理由もぜひ教えてください。

攻も受も人間的に揺らぎのあるひと、ストイックな色気のあるひとが好きです。あと、素直なひとと不器用なひと。シチュエーションは「幼馴染み」と「同級生」と「十年愛」。わたしは基本的にこの3つのうちのどれかの要素が入ってない話はあんまり書いてないような気がします。恋愛以外の関係性がまず最初にあるのが好みなので。

恋愛面で見せ場となるシーンを書かれるとき、どんなことに気をつけていますか?

メンタルでもフィジカルでも、自分が「これでいいだろう」と思う量の2倍を書くように頑張る。

お仕事中、これだけは欠かせないという癒しや心の支えはありますか?

甘いもの。原稿が進まないとき、大量に糖分を摂取して「ブドウ糖が脳に効いてるハズ」といいきかせてむりやり集中力を高めます。

杉原先生が小説をご執筆されるにあたって、最も大切にしていることはなんですか?

読んだひとに伝わるように書くことです。基本、独りよがりで好きなように書いてしまうので、客観的に見る努力は忘れないように心がけているつもり……です。

最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いします。

『夜の寓話』は色気のある大人な雰囲気のお話を目指して書きました。木下けい子先生の表紙の絵がとっても素敵で、最初にイラストの画像を見せていただいたとき、「ああ、もうこれでこの話は書いた意味があったな」と満足したのですが、読んでいただけたらさらにうれしいです。よろしくお願いします。

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◆杉原理生先生ブログ
Unit Vanilla 3rd Project『アーサーズ・ガーディアン』特設ページUnit Vanilla 3rd Project『アーサーズ・ガーディアン』特設ページ

作品紹介
 
『音無き世界』
宝井理人

「──妬いてるの?」
フリーの映画ライターとして活躍している水原英之は、ある日、かつてひと月だけ一緒に暮らした笹塚遼と再会する。十年前、無口な子どもだった遼は、その頃の面影を残しながらも、印象的な青年へと変貌していた。けれど、遼は子どもの頃の経験から、誰も好きにならないと決めていた。でも、それでも遼は英之に惹かれていく。英之もまた遼にやましい思いを抱いていて…… ひそかに、熱く、恋は生まれてくる──!!

成長した遼が、英之と最初に再会する場面が自分的には印象に残ってます。ストーリー的には序盤なのですが、書いてる側としてはやっと話のイメージが定まった場面だったので。遼と英之はふたりとも草食っぽいキャラですが、けっこう色っぽいシーンが書きやすかった不思議なひとたちです。

『恋の記憶』
山田ユギ

「淋しいだけじゃ、俺はひとを好きにならないよ」
姉の結婚式の日、理也は数年ぶりに従兄弟の高成と再会した。高校にあがるまで、ふたりはとても仲のよい従兄弟同士であり、理也にとって高成といる空間はひどく居心地のいいものだった。けれど、ふたりの間にはなにか曖昧なものが忍びこみ、いつしか距離を置くようになっていたのだ……
結婚式の夜をきっかけに再び一緒の時間を過ごすようになったふたりだが、曖昧だったなにかが露になってゆき!?

理也と高成がホームシアターの映像を一緒に見ている場面が最初に浮かびました。いい大人のふたりが寝ながら手をつないでたら、どうなるんだろう? と考えて書いたお話です。回想シーンが好きなので、子ども時代の造成地の水たまりに入った思い出が幼馴染みらしくて好きなエピソードです。

『37℃』
北畠あけ乃

「悪いんだけど、俺をしばらく泊まらせてくれないか」
銀行に勤める野田に突然掛かってきた数年ぶりの電話。それは、大学時代の野田の秘密を共有する男、若杉からだった。泊めることを了承してしまえば、面倒なことになる… そうわかっていながら、野田は頷かずにはいられなかった。
とっくに終わったはずの関係だ…… それなのに…? 静かな熱病のような恋が始まる──!

タイトルを先に決めて、色気のある話にしようとは考えていたのですが、野田のMっ気は書いてる途中で出てきました。静かな空気感と激しい行為との対比を書きたかったので、学生時代、野田が正月早々アパートに戻ってきたときに、若杉と抱きあう場面は気に入っています。