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――魚住くんシリーズが装いも新たに、ついに発売となりました。大勢の読者さんが待ちに待った復刊だと思うのですが、お気持ちはいかがですか?
感無量です。
雑誌掲載から数えれば15年くらい前の作品なのに、こうして新しく出版していただけることに本当に感謝しています。そして待っていてくださった読者さまたちにも、心から御礼申し上げます。
今回はハードカバーにしていただき、愛蔵版という感じで、とても綺麗な本になりました。茶屋町先生のイラストも本当に綺麗で、雰囲気があって。遊び紙や糸シオリの色なども、担当さんと話し合って決めました。とても楽しかったです。
なんというか、最初の子供が大きくなって帰ってきて、久しぶりに世話を焼きたがるおかーさんみたいな、そんな嬉しさもありました(笑)


――『夏の塩』『夏の子供』のなかで、もっとも印象に残っているエピソード、登場人物を教えていただけますか?
主人公の魚住真澄はやはり別格のようです。名前も容姿も性格も、すべて同時に私の中でふいに生まれたキャラクターです。このシリーズのキャラクターたちはほとんど全員が自然に生まれました。自分が造りだしたというより、そこにいる人々を書いたという感覚です。

――『夏の塩』『夏の子供』両作品ともに書き下ろし作品が収録されていますが、こちらのエピソードは今回の復刊にあわせて考えられたのでしょうか。それとも、もっと以前からアイデアがあったのでしょうか。
復刊にあわせて考えました。
この物語に書き下ろしは必要ないのではないかとも悩み、蛇足にしかならないような短編なら、載せるのをやめようかとも思ったのですが、スルリと書けて自分でも意外でした。キャラクターたちも、久しぶりなのにどんどん動いてくれて、時間をかけずに書くことができました。


――久しぶりに魚住くんたちを書いてどんなご気分ですか?
本当に仲良しの友人って、何年ぶりかで会ってもすぐに打ち解けることができますよね。まさしく、そんな感じでした。
まあ、昔の文章を読むのはちょっとアレでしたけど(笑)
なにしろ処女作ですので拙い部分も多く、いろいろと手を入れたいところはあったのですが、基本的にほとんどいじりませんでした。当時の文章の癖なども、そのまま出ていると思います。恥ずかしいような、懐かしいような……(笑)


――先生にとって『魚住くんシリーズ』とは、どんな存在ですか?
もしかしたら、もうひとりの自分なのかもしれません。自著はすべてそうだという気もしますが、このシリーズは特にそれを強く感じます。

――クリスタル文庫時代からの大ファンという読者さんもいれば、この機会に初めてご覧になる読者さんもいらっしゃると思います。すべての読者さんにメッセージをお願いします。
お久しぶりの方も、いつもありがとうの方も、初めましての方にも、まずは心から御礼を申し上げます。何年かぶりにデビュー作と向き合い、自分の書きたいものの原点を見たような気がしました。それは短い言葉では表現しにくいものであり、だからこそ私は物語を書いているのかもしれません。
魚住も久留米も、今でもこの世界のどこかにいるような気がします。私が彼らを創りだしたというより、彼らが私を作家にしてくれたようにも思えます。それはちょうど、読者のみなさまが私を小説家でいさせてくれているのと似ています。
私にとって小説は、そこにあるだけでは意義のないものです。誰かに読んでもらった瞬間、はじめて小説は命を得ます。
みなさまがこの物語を気に入ってくださることを心から祈っております。
本当にありがとうございました。



 
以上、榎田先生のインタビューでした。
みなさんの知りたいことはあったでしょうか?
まだまだ続く榎田尤利ワールド、これからもご期待ください!!

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